君の匂い 君の感触 冷たくて涙が出る





実家のマンション10階から柵を越えて見下ろした所、少し大きな道路がある。


デリの時のお客さんで仲のよかった人と遊んで、お小遣いを貰って、終電の2つ前の電車で一緒に帰ってきて、柵から乗り出して道路を見下ろした。



落ちたら死ぬなあっていつも思う。落ちないけど。


走り去る車を人間の煩悩の数数えたら家に帰ろうと思った。数えてる内に馬鹿馬鹿しくなって飛び降りる勇気が漲ってくるのではと思った。うちのマンションは、昔10階から飛び降り自殺した人がいるから、一応事故物件ってことになってる。わたしまで死んだら、ここに住もうと思う人が物凄く減るのかなって思った。今日も飛び降りる事は出来なかった。でもよく考えたら、わたしが飛び降り自殺なんてしたら家族もこの家に住めなくなっちゃうかもしれないから、飛び降りなくてよかった。



久しぶりにおじさんに会った。

一緒にカラオケに行って、当たり障りない曲と、おじさんは化物語の戦場ヶ原さんが好きだから、リクエストでstaple stableを歌った。


あと最後に履歴を見ながら歌う曲を考えてたら、絢香の三日月があったから、歌ってって言われて歌った。褒められた。カラオケを出てからも三日月すごいよかったよってずっと言ってた。でもわたしはほんとは、絢香があんまり好きじゃなかった。




その後ホテルへ行った。


いい歌を聞かせてくれたからってお小遣いを握らせてくれた。


足りない?って聞かれたけど、反射的に全然足ります!って嘘を吐いた。いい人でいたがるの、わたしの悪い所だと思う。ほんとは全然足りないけど、でも、この人からお金を毟り取るような事はしたくなかった。価値のない女に成り下がったという事をひしひしと痛感して、悲しくなった。そうですね、価値なんて一欠片もないね。





でもおじさんはいい人だから、好きだ。

わたしの昔の話を聞いて頭を撫でてくれる。全然嬉しくはないんだけど、ありがとうとは思う。ありがとう。




後ろから入れられている時に、おじさんにお尻を叩かれるのは好き?って聞かれたけど、自分の性癖は好きな人にしか教えたくないってなんか意味の分からない意地を張ってしまって、分からないですって言った。叩かれても多分全然嬉しくないと思ったんだろうな。




繋がっておじさんの冷たい肩に顎を乗せて背中へ手を回しているとき、きみの湿った柔らかい肌を思い出していた。


きみの肩へ顎を乗せて、爪が減り込むんじゃないかなって思うぐらい強く抱き締めている時のことを思い出していた。


そしたら泣きそうになってしまって、無感情になれって、何も考えるなって心の中でぐるぐる呟いていた。どんどん自分が壊れていく感じがした。終わってるな、って思った。それでもわたしはまだきみのことがすきだった。




道路を見下ろしながら、クリープハイプを聞いていたら、出会ったばかりのきみとのやり取りを思い出した。


きみに好きなバンドを聞かれて、わたしはクリープハイプって答えた。きみはあの病んでるやつねって言った。わたしが好きなバンドを聞き返したら、きみはワンオクとかアクアかなって答えた。その時わたしは、この人のこと絶対好きにならないなって思ってた。




きみじゃない誰かの体温を感じると涙が出そうになるのに、きみの体温を感じていても涙が出そうになるのはなんでなんだろう。


きみのことを思い出しながらおじさんの背中を抱き締めた。きみじゃないってことはわかってた。きみが、わたしの事なんてこれっぽっちも想ってないってことも、わたしはわかってた。



きみはよくわたしに泣いてるの?って聞いてくるけど、きみが入れて気持ちよくなって抜いて出して一息吐いてる時に、わたしがきみのことをぎゅってしながら泣いてるの、知ってた?



帰り道何度もきみにラインを送ろうとしたんだけど、この時間に連絡するのは迷惑かな、とか、会いたいって言うのは気持ち悪いかな、とか、遊びたいって言うのも面倒臭がられるかな、とか、いろいろ考えてしまって、もうどうせいつか終わってしまうんだから嫌われてもいいや、送ってしまおう、とも思ったんだけど、やっぱり何も送れなかった。















今日がどんな日でも 何をしていようとも 僕はあなたを愛してしまうだろう






昨日まで心に誓っていた禁煙の二文字と絶好して、煙草に火をつけた。煙と一緒に、わたしの身の程知らずな想いもどこかへ飛ばせたらいいのにと思う。未だ見ぬ幸せなんて御伽噺を、いくつになっても夢見ている。



わたしがきみに会いたくて苦しい気持ちでいる時に、きみは誰と会って笑っているんだろう。きみは誰を想って苦しくなるんだろう。きみはその可愛い唇で誰に愛の言葉を囁くんだろう。それはわたしじゃダメなのかな。



一度汚れてしまったら限界まで汚れる他ないと思う。ただ楽してお金を稼げればいいんでしょ、と言われればそれまでだ。気持ち良くて薬を辞められないのと一緒で、わたしも自分の体を商売道具にする事を辞められない。一度失ってしまったものはもう二度と戻らないと思う。どれだけの愛を与えてくれたって、捧げてくれたって、わたしの汚れは二度と落ちない。こんなに汚れてしまっても愛してくれる?なんて馬鹿みたいな事は言わないから、心の隙間にそっと寄り添いたい。もう戻れない。正直ゲームオーバーだし、闇鬱ENDのルートに入ってる。


だけどやっぱりわたしは身の程知らずな願いも抱えてしまってる。いつか光を見たいと思っている。それはどうしても捨てきれないものだけど、どうしても叶わないものだ。


わたしはきみの中で都合の良い存在で終わる。それ以上でもそれ以下でもなくて、きみはそれでいいと思っていて、わたしもそうだと思っていて、そう信じて疑ってないんだと思う。きみの気持ちが手に取る様に分からない。


伝えたい想いが、募っていくまま、ひとつも減らない僕を、笑い飛ばしてほしいんだ。あなたがいてほしいんだ。




きっともうこれ以上 傷つくことなど ありはしないとわかっている





煙草はお金がかかるから、やはり今度こそやめようと思って今日は一箱も買わなかったんだけど、吸いたすぎていま死にそう。



だって煙草を吸わない時間何を吸って過ごしたらいいんだろうと思う。煙草吸えないならちんこしゃぶらせてくれよ、頼むよ………




今日は一人暮らしの部屋を片付けた。妹と妹の彼氏とお父さんが手伝ってくれて、そんなに多い荷物ではなかったんだけど、4人がかりで実家まで運んできた。



その後お礼ってことで、(お金を払ったのはお父さんなんだけど)4人で居酒屋へ行った。


今日はそれで終わり。




ある人にネットで恋愛について相談していたんだけど、あなたが元風俗嬢であるにも関わらず相手は何か特別なものを与える訳でも無く、仲が良くなったからって好きな時にタダでしてもらっているというのは、搾取しているようにしか聞こえない、と言われた。



その人は絵を描いてお金を貰うこともあるみたいなんだけれど、身内であってもタダで描いてと言われたら描かないよと言っていた。成程そう考えると搾取のようにも思える。



ていうか、わかっていたんだけど。

わかっていても、それでもいいと思った。わかっていても、僅かな望みの可能性に賭けてみたかった。



人から言われるとそうだよね、そういうことなんだよねと実感するんだけど、だからと言って気持ちを抑えられるのかと言えば抑えられなかったりする。理屈とかじゃなくて、なんかもうわたしはあの腕がすきだった。少し湿った感じの、皮膚の柔らかい肌。太くて安心感のある腕で抱き締められたらもう終わりだと思う。虜だと思う。仕方ないと思う。だってもう麻薬と一緒なんだよ。ダメってわかってても欲しくなっちゃうの、好きなの。



でもわたし、いつかこの人に酷く傷つけられるんだということも何となくわかる。それでもやめられないんだからどうしようもない。



きみがわたしを雑に扱うなら、わたしも雑に扱ってやろうと思った。別にいなくなったって構わない、都合よく扱うならわたしも都合よく扱ってやろうと思った。思ったけど、そう出来たらいいのにってだけで、思っただけで。結局無理なんだなあ。



でもなんかもう、成る可く考えないようにしたい。


それでもう、跡形もなく消えちゃえばいいんだきみなんて。忘れたい。






あなたがくれた瞳の色や声が私を救って、あなたがくれた言葉や想いのすべてが、私のすべてだ





いちごジャムとマーガリンのコッペパンを食べていたら、いちごジャムをコートに落とした。滲んだジャムでコートは赤く汚れた。汚れたコートからは甘いにおいがした。染みになってしまったけど、いちごジャムで汚れたのだからかわいいなと思った。



まあ家に帰ってから速攻食器用洗剤で落としたけど。



そんな他愛もない様な話したってどうにもならないことを、きみに話したくなる。きみに会った時にこの話をしようって、考えている。





そういえばこの前、お店で仲の良かった後輩の子と遊んだ時、その子のバイトが終わるまでファミレスで待っていたんだけど、時間がだいぶあったのですきなひとから勧められた小説を読み終えた。



表紙やあらすじやさらっと文章を見る限りクソつまらない頭の悪い奴が読む様な本なんだろう…と、わたしは性格が悪いので、そう思っていたんだけど、きみが勧めるから読んだだけだったけど、普通に泣いた。



あらすじは君の臓器を食べたくなる某小説(決してdisってるわけではない。いや、正直disってるけどきちんと最後まで読んでのdisだから許して欲しい。)と同じ様な感じだった。病気でもうすぐ死ぬ女の子と死ぬ前にやりたい事をやる、っていう。それと違うのは女の子が動けない位弱ってしまっているから、女の子がやりたい事を主人公が代わりにやってあげるという感じだった。



正直展開も読めたし文章力や表現力もイマイチだったんだけど、何故かぐっときて目が潤んだ。



死ぬのが怖い女の子に対して、俺が死んでどうなるか教えてやるってもうすぐ死ぬ女の子の目の前で主人公は自殺しようとするんだけど、その主人公に対して女の子はあなたはずっともうすぐ死ぬわたしに憧れてたんだって言うシーンがあった。思わず泣いた。



ここはめちゃくちゃいいシーンだったので詳しい事には触れないでおくけれども、それぞれのキャラクターの台詞や心情がすごく良かった。平々凡々な暮らしをしてきた普通男と重病を背負った儚い美少女の悲しい恋物語かと思っていたけど、闇を抱え死に対して憧れを持つ男の子と、死にたくないと願いつつも抗えない未来を受け入れたフリをしている女の子の、正反対の二人の話だった。



多分彼が勧めて来なければわたしはこの小説を一生手に取る事は無かったと思うし、電撃大賞ハイハイワロスワロスとか思ったままだったけど、読んでよかったです。すきなひと補正もありますが。




きみはこのシーンで何を思ったんだろう、とかかんがえたり、きみのあの時の疑問はこの小説の影響なんだろうか、とか、きみに影響を与える一つ一つのものを知れる事が嬉しい。と思った。


また面白いと思ったものがあったら教えてほしい。わたしが好きなものもきみに知ってほしいけど、わたしに興味の無いきみには知らなくていい事だろうから、教えない。



ここでふと、きみに69をせがまれて嫌がっていたものの、舐めないからって約束で尻を向けてぺろぺろHOUSEして手マンカラオケされていたのだが、(誰も歌ってないしシェアハウスもしてない) 尻をホールドされて手マンカラオケからぺろぺろHOUSEにチェンジされた事を思い出して恥ずかしくて死にそうになっている。


わたしはほんとにクンニが苦手だ。


汚いところを見られるのが苦手なのに、きみは見られて嫌なところをたくさん見てくる。触れてくる。そういうところが嫌だけどすきだ。きみにはデリカシーが欠けている。でもそういうところもすき。



きみを起こしたあと、眠くて目を擦っていただけなのに、泣いてるの?って聞いてくる。事ある事にわたしが泣いてることにしたがる。したがるっていうか、疑るというか。そんな簡単に人前で泣かねえし。泣きたいと思っても泣けねえし。涙っていうのは出したくない時にとめどなく流れてくるものなんですよ。でもそういうとこもすき。




生産性の無い想いだけがずっと膨らんでいく。



恋愛とはまた話が変わるけども、実家に帰ってきて更にわたしのやる気というやる気が削がれて本当に怠惰の塊みたいになっている。

元から用意して家を出るまではかなり遅く、友達いなくなるんじゃないかなというぐらい人の事を死ぬほど待たせる事で有名なわたしなんだけど、それが最近増している。去年から朝起きる事が出来なくなってしまったし、このままでは生きていけない。マジヤバい。



いつかわたしはいろんな人の事を食い潰してしまうんじゃないかなと思う。わたしはわたしの存在が他人に与える影響が怖い。これはポジティブ的な意味じゃなくて、全てがネガティブ的な意味での影響。


わたしのせいで、わたしが重荷となって家族を殺してしまうんじゃないかとか、思う。



人を見ているとぐつぐつと目に見えない縄に首を絞められている様な気がする。

わたしも見えない縄に首を絞められていて、いつかそれが痺れを切らして力を込めた時にわたしの人生も終わるんだと思う。わたしはその誰かの首にかかった縄に余計な負荷を掛け続けている気がする。


誰かの重荷になるくらいなら死んだ方がマシだとずっと思っている。今、特に今強く思っている。少なくともわたしはいろんな人に迷惑をかけて生きているから。



自分にかかった縄に力を込めるべきなんだと思う。

でも実家のマンションから下を覗くと足が竦む。あのアスファルトにこの高さから叩きつけられたら絶対に死ぬというのがわかっているから。リストカットやODじゃ簡単には死ねないけど、10階から飛び降りたら確実に死ぬからだ。わたしは死にたいと思いながらも死ぬのが物凄く怖い。



もう後戻りなんて出来ない所まで来ているのに、最後の一歩を踏み出す事には足が進まない。愚かだと自分でも思う。自分が一番よくわかっている。


こんなに強く死にたいと思うのに、同じくらい死ぬのが怖いなんて矛盾している。


きっとどこかでまだ助かりたいと思っているんだろうなと思う。愚かだ。












手首切って生きた心地してんじゃねーよ




あなたが死んだことを知った時、わたしはファミレスで幼馴染と夜ごはんを食べていました。



正直不謹慎とわかっていながらも、ショックだとか信じられないだとかいつかこうなると思っていましたという気持ちよりも、わくわくにも似た高揚感を覚えてしまった。


人が死ぬ事でわくわくしていた。

本当に最低だけど気持ちを隠さないで言うのなら、綺麗事無しで言うのならわたしはわくわくしていた。



お葬式はやらなかった、お別れ会みたいな感じだった。棺桶に入って鼻に綿を詰められたもう二度と息を吹き返すことのないまだ若いあなたを見て、悲しいと思った。嫌いだった。余計なことばかり言うし、自信過剰なあなたが嫌いだった。でも妹みたいに可愛がってくれてた。内心は知らないけど。わたしが男の子に告白された事を話したら楽しそうにアドバイスしてた。もう二度とこの人に会えないのだという気持ちは、よくわからないけど、すごく悲しい。我慢出来なくなって泣いた。わたしだけが泣いてた。泣くと思った、って笑われた。



お別れした後に何人かでごはんを食べに行った。もう誰かが死んだのだということなんてみんな話さない、触れない。そんなこと無かったみたいにごはんを食べた。不思議な気持ちだった。人が死ぬことってこんなに影響を与えないんだと思った。


でもわたしは弔う気持ちよりも、向こう側に行けたあなたを羨ましいと思った。わたしもそっちに行きたいと思った。事故だったのかもしれない、死にたいなんて思ってなかったのかもしれない。でも苦しんでいた気持ちは嘘じゃなかったんだって死ぬことで証明できるよね。その時やっと他人は本当の闇に気づくことができるよね。死んだらもう終わりなんだけど。関係ないんだけど。


思想も消えて全て無くなって無になって自分がどこにいるのかもわからなくなるんだ。どうなるのかわからないから怖い。その場所に行ったことがないから怖い。怖いと思う理由がそれだけなのに、一線を跳び越えることができない。



死ぬことってすごいどうでもいいことだ。

他人にとっては他人の苦しみなんてすごくどうでもいいことだ。



きみはわたしが死んだとき泣いてくれるんだろうか。馬鹿だねって笑うんだろうか。どうでもいいんだろうか。面倒だと思うんだろうか。怖いんだろうか。


死んだら泣いてくれる?

泣いてくれるなら、花を手向けてくれるのなら、死ぬのも案外幸せなんじゃないだろうか。



誰かが自分のために泣いてくれるなんてそんなことなかなかないじゃない。嬉しいじゃない。泣いてくれないかなあ、泣いてくれないかな。



ずっと羨ましいと思っている。




手首切って生きた心地してるなんて馬鹿みたいなこと言うなよ。生きてると実感することなんて絶望なんだ。生きてるってことはずっと苦しいってことだ。苦しいってことが生きてるってことを嫌でも実感させるんだ。きみの落ち着いた心音を聞いてもっとばくばくすればいいとおもった。もっと苦しくなればいいと思った。わたしがそばにいることを体で実感すればいいと思った。もっと苦しくなってほしいと思った。心は嘘をつけても体は嘘をつけないよね。思いきり殴ってほしい。痛めつけてほしい。強い感情をぶつけられたい。なんにもわからなくなりたい。きみがそばにいるってこと以外は何も知りたくない。何も思い出したくない。



苦しくなって、わたしのせいで苦しくなって。わたし以外のことは考えられない時間が日々の一瞬の中にあってほしい。単調に過ぎてゆくきみの時間の中にわたしがいてほしい。ワガママだとかエゴだとかそんなことはもうどうでもいい。わたしはきみの中にいたい。わたしはきみの中にずっと残りたい。自分勝手でいい。頭おかしくていい。ずっと残りたい。他の人の入る隙間なんてないぐらいわたしを残してほしい。そこにいたい。心の中にいたい。わたしはそこで生きていきたい。だからもう何もいらない、何も無かったことにする。何も無かったことにするんだ。全部無かったことにするんだ。わたしはいなくなって、わたしは無かったことになるんだ。わたしがしてきたこと全部全部無かったことにするんだ。無かったことになればいい。苦しい。どうしようもない。わたしにはきみがいればいい。他のことはどうでもいい。どうでもよすぎて笑っちゃうぐらいきみがそばにいてくれるなら全部を捨ててもいい。わたしのものになれ。その体をいつ抱きしめてもいいって言って、きみの口から零れる悪態や優しさが全てわたしのものになればいい。




真夜中の心臓は 優しい顔をして 僕を傷つける




生傷を抉るのが好きだ。

まだ癒えていないぐじゅぐじゅのところを痛めつけるとそこはいつまで経っても治らない。それでも気持ちよくてやめられない。


ちょっとおかしいのかもしれない。



出来ることならもっとおかしくなりたい。

何も考えられなくなりたい。

だけどやっぱりもう二度と彼処には帰りたくない。



すきなひとをすきでいることが息苦しい事の理由の一つは、出会いが最悪だったからというのもあるんだと思う。


わたしはこの人をすきでいる限り、一生鮮明にあの時の事を思い出すんだと思う。でも別にこの人じゃなくても、この先他の人と出会っても、忘れることはないと思うし、関係ないんだろうなあ。




すきなひとと出会ったのは、店がすごく暇な時で。フリーの安いコースがあるんだけど、それでわたしが彼についた。最初からノリが軽かったからわたしもそれに合わせて適当にしゃべった。本当に適当にしゃべってたから、その時話したこと殆ど覚えてない。


普段だったら一緒にシャワー浴びてお客さんの体を洗うんだけど、短いコースだったし先に浴びてたみたいだったから、まあ若いし清潔そうだからいいかと思って、ひとりで浴びた。


早く来てってベッドで待ってる姿は多分初めて会った時から今まで変わってない。


プレイが終わっても、後ろからぎゅってされるのが好きだからしてほしいって言われて、後ろからぎゅってしてた。



彼女30人ぐらいいそうだね、とか、すぐ怒りそうだね、とか、その時は全く興味なかったからめちゃくちゃ失礼なこと言ってた。失礼なこと言う度にすきなひとは少しだけムキになって否定してた。今思うと可愛い。



痩せようとか思うことあるの?って聞かれて、あるよ〜25歳までには痩せたいかなって言ったら、じゃあ25歳まで俺のペットでいてって言ってきた。ぽっちゃりしてる子はペットにしたいってかわいい笑顔で言ってきた。当時は全然好きじゃなかったから、何ふざけたこと抜かしてんの?なめてんのこの男って思って、なにペットってひどくない?って笑いながら言ったら、彼女のがいい?ってまたかわいい笑顔で言ってきた。わたしはやっぱりその時は全然好きじゃなかったから、そういう意味じゃないよって否定した。今だったら彼女がいいよって言うのになあーーー。



焼肉行こうよとか水族館デートしようとかめちゃくちゃしつこかったわけだけども、わたしはタイプでもない男+指名されたわけでもなくフリーの安いコースで1回だけ入った男とデートするなんて馬鹿馬鹿しくて有り得ないって思ってた。どうせセックスが目当てなのもわかってたし、セックスしてこっちは金稼いでんのになんで自分の時間を割いてまでどうでもいい男と会わなきゃいけねーんだよぐらいに思ってた。今はそんなこと微塵も思ってないけど。むしろお願いだから会って〜って懇願するレベルだけど。



結局どうにか口車に乗せて本指名で一度入ってもらって、その後水族館デートしようねって話で、約束もしてたんだけど、約束の二日前ぐらいにわたしODしてしまって。

当日べろんべろんだし生理もきて血もダラダラだし、断ろうと思ってたんだろうけど、いかんせんその時の記憶が全くと言っていいほどない。


電話もしてたんだけど、電話の内容も全く覚えてないし。


後日冷静になってLINEを見返したらすっごい意味わかんないことばっか言ってるし、超謝った。そしたら全然気にしてないし、ただでさえメンタル弱いんだから余計なこと気にしすぎないでって言われた。優しいなこの人…って、きゅんって感じではなくて、目がまんまるくなる感じで、眉間にシワが寄る感じで、思った。




数日経ってから唐突に誘われて、でもいきなりだったから流石に会えなくて、その時は断ったんだけど、一週間後ぐらいに部屋で一人ぼっちでいたらなんか寂しくてどうしようもなくなって、めちゃくちゃ誰かに会いたくて、でもセックスもしたくて、誰でもいいからと思って何人かに声かけてたんだけど、彼が一番早く返事してくれたから、彼と約束して会うことになった。初めて店の外で会ったのがそれだった。今となっては誰でもいいと思った夜にこの人を誘ったのは間違いだったと本当に後悔してる。初めてのデートは水族館がよかった。



会ってる時は全く好きなんて思わなかったんだけど、逐一気が使えるなこの人って思うぐらいで。ホテル出て、ごはん食べて、ばいばいして、ひとりで歩いて帰ってる時に、あれ、もしかしたら好きかもしんないと思った。そこからもうダメだった。めちゃくちゃ好きだった。


明確な理由なんてないけど、もう好きになっちゃったら負けなの。全面降伏なの。彼がすべてなの。



嬉しそうに笑った顔も、いろんな話をカメラロールの写真見せながら嬉しそうにしてくれるとこも、さりげなく手を繋いでくれるところも、全部好きになってしまった。



好きになったら顔も好きになるんだよね。

全然全くこれっっっぽっっっちもタイプじゃなかったんだけど、今はすきなひとの顔が一番すき。とってもかわいい。世界でいちばんかわいい。




とまあ、メロメロ状態なわけですよ。

でも次は絶対わたしから誘わないって意地張ってる。誘ってお願い。この前はわたしから誘ったんだから次はきみが誘ってよね。


じゃなくて誘ってくださいお願いします😭😭😭





急いで出さなくたって答えはもうわかってるのにね。ほんの数ミリのほんのちょっとのもしかしたらの奇跡に近い可能性に期待している自分がいる。



相手に甘えて寄りかかって自分の全部を知った上で好きになってもらいたいって考え方、すごい嫌いで、嫌いなはずなのに、わたしいま結局メンヘラもODもバレてるし、なんにも頑張れてないのに、傲慢だよなあ。




どうしたら好きになってくれるの、なんでもするからそばにいさせて。


わたしはきみのことを不安の捌け口にしているのかな。だからきみのことで一喜一憂してしまうのかな。好きだからとかじゃなくて。でもこの沸沸と胃の奥の奥の奥の方からこみ上げてくる愛しいって思う気持ちを好きって呼ばないならなんて言うんだろう。








守られるか無視されるか以外には用途のない夜の信号は ああなりたくないと思う女子そのものだった




不憫そうな姿まで同じだった。







ふとカメラロールに残っていた自分の宣材写真を見て思った。

まだホームページには写真が残ってるのかなって。

見に行ってみたらまだ残っていた。


すごい惨めなわたしの姿がずっとそこに残り続けるのかなって思ったら悲しくなった。死にたくなった。なんで消さねーんだよと思った。


辞めることになった時に在籍表から消しておきますからねって言われたんだけど、一つの店の公式のホームページからは消されていたけど、別の広告のサイトにはまだ在籍表からも消えてないし、日記も残ってる。


そのサイトのアイコンの写真もわたしのまんまだし。なんで消さないんだろ。怠惰なのかしら。面倒だからって理由ならほんとになんか適当なんだなと思う。他の辞めていった女の子たちのは消したのになんでわたしのだけ消してくれないんだろう。嫌がらせなのかな。



馬鹿なことをしたんだとすごく後悔するんだけど、全然後悔してもほんとに意味が無い。だって遅すぎる。もうやってしまったことを、自分の非だと分かりきっていることを、どこにぶつけたらいいかわからない。全部中途半端に終わらせたからすごい中途半端な結果だ。なんかこの流れがわたしの人生を物語っているような気がする。



いつまでもこうやってわたしの中に残り続ける。

もし素敵な人が現れて、うまくいって、結婚できて、子どもができたとしてもわたしはいつまでも自分で作った自分の呪縛から逃れることが出来なくて、いつまでも残り続けるんだろうなと思ったらなんで生きてるのかわからなくなった。ほんとになんで生きてるんだろう。


わたしはほんとに惨めな思いをしただけだった。何も得たものなんてなかった。何かを失うばかりで得たものなんてほんとにひとつもなかった。誰かのせいにするつもりなんて一欠片もないんだけど、ただ自分でやってしまったことを馬鹿みたいに後悔してるだけなんだけど、辛いものは辛いし死にたいと思うのはもうしょうがない。


過ぎたことなんだからとか、自分の行いのせいなんだからとか、よく言われるけども、わたしがいま辛いことには変わりないんだから辛いと思うことは別に良くないか。泣きそうだ。なんでこんなことになっちゃったんだろう。まあわたしのせいなんですけど。



なんにも救ってくれない。


お母さんはわたしにお前の前の仕事ってほんとはなんなの?飲食業じゃないんでしょ?って笑いながら聞いてくる。笑いながらする話じゃないんだよなこれ。 


元々は家計の足しにしたくて、わたしが頑張らなきゃって思ったことがこういう結果を招いたわけだけど、わたしはそれを誰かのせいになんてしてない。他にもお金を稼ぐ方法なんていくらでもあったし、それでもそれを選んだのは働きやすいと思ったからだ。これなら自分でもできると思ったからだ。全部わたしが選んでわたしがやったことだから、全部わたしのせいなの。


だけど笑いながらする話じゃないの。

親に話せる話じゃないの。

面白おかしくできることじゃないの。



多分ほんとに誰にもわからないと思う。わたしにしかわからないと思う。ほんとにわたしにしかわからないことでわたしはずっとひとりぼっちで、なんかこれ甘えてるだけなんだと思うけど、わたし死にたい。死ぬべきなんだと思う。だけど死ぬのは怖い。なんで怖いって思っちゃうんだろう。多分まだやりたいこととかあるんだろうな。でもいい結果なんてひとつも招かないから死んじゃった方がいいんだろうけど。




痛くして、もっと痛くして。なんにもわからなくなるぐらい痛くして、なんにも考えられないぐらい痛くして。苦しくして。気持ちよくして。死んでしまいたいなんて思わなくなるぐらい何も考えられなくして。



わたしはほんとにバカなんだよ。ごめんね。