繋いだ身体で解けそうな心を 少しだけ強く結び直していたの




前向きに頑張ろうと、きみの幸せを願おうと決めていたのにそれがこんなに難しい事だとは思わなかった。めちゃくちゃにつらい。なんだこれ、失恋ってこんな感じでしたっけ…もう二度と失恋したくないなあ。こんなに悲しいのね。


食欲が無くなった。食べたくて食べるんじゃなくて、がむしゃらにとにかく口に何かを詰め込むか、何も食べたくなくて食べれないかのどっちかだ。そりゃあそうか、一昨日だもんね。そりゃあそうですよ、時間たってないもんね。落ち込みますよね。当たり前なんだよなこれは。食欲無いのは全然いい、痩せられるもん。過食に走らないことを祈るわ。



なにが悲しかったって、ショックだったかって、心のどこかではわかっていたんだけど、わたしはきみの中で遊んでいる女の子たちの中の一人だったってことだ。彼女が出来た時に簡単に切られる一人だったって事だ。何人もの中の一人だったって事だ。わたしはきみの犬にもなれないの?遊んでる中の特別な存在にもなれないの?わたしはどうでもいい中の一人のどうでもいい存在だったの?寂しさを埋めるための一つのピースだったってそんなの悲しくなる。優しくしないでよ、優しくしないでよ。誰にでもあげる優しさなんていらないからわたしにだけすごく酷くして。意地悪してよ。傷つけてよ。それぐらいしてよ。そんなことしない人だっていうのわかってるからもっと辛いじゃないか。ペットでいいよ、ペットでいい。でもペットはわたしだけにしてよ。彼女ができたら捨ててもいいから、わたしだけで寂しさを埋めてよ。特別にしてよ。なんでもいいから、なんでもいいから特別になりたい。きみの傍にいれるだけでいいって言ったけどほんとはそんなの嘘だよ。傍にいれるだけじゃやだよ、やだよ。



仕事を辞めて、部屋を解約して、どこに帰ったらいいかもわからない、不安定なわたしと一緒にいてくれる、嘘みたいな優しさじゃなくて正直な言葉で寄り添ってくれたきみに助けられてたの。安心をもらってたの。わたしはそんなきみの優しさに依存してたのかもしれない、甘えてたのかもしれない。重くてごめん。ああ、なんでわたしじゃダメなのかな。ダメなんだろうな、そりゃそうだよな。自分でわかるぐらい、自信が持てないぐらいの人間なんだからダメに決まってる。綺麗になりたい。きみが好きだって思う人よりも素敵な人になりたい。



わたしがいくらきみのことを強く抱き締めてもきみは快感の他には何も感じることはなくて、わたしはいくらきみに強く抱き締められても愛を感じる事は出来なくて、わたしの一方的な想いだけが浮いている。


きみは他の人とは違う、ちゃんと寄り添ってくれるってずっと思っていたけど、わたしはきみのことが好きだったから、きっとそう思いたかっただけだった。距離なんて思い返せば果てしなく遠かった。たくさんあった。いくら手を伸ばしても届かないところにいた。届くかもしれないって思いたかった。